「かのような」社会
社会っていうのは、みんながイカサマしてるポーカーみたいなもんです。
調和している「かのような」ものなんです。
って、昔の社会学者が言ってたらしいです。
めっちゃおもしろい。
確かにそうだわー。言い得て妙とはこのことじゃー。って、思った。
みんながイカサマしてるポーカー。
例えば、「赤信号は渡ってはいけません」っていうルール、幼稚園生でも知ってる。でもたぶん大人は、二日あったら最低一回くらいは、赤信号無視、してる。
それは、「この道は朝、車はほぼ通らない」と経験的に知っているからかもしれない。「前にいたサラリーマンも、隣にいるお姉さんも、赤信号だけど歩きだしたから」かもしれない。「時間にうるさい上司との約束なのに、遅刻しちゃいそうだからいいや」なのかもしれない。
例えば、「不倫はいけないことです」っていうルール、小学生でも知ってる。でも、世の中で不倫はそこら中にある。「私がこの人と不倫したら、フライデーされちゃうな」って、心のどこかで分かってる芸能人ですら、不倫する。
それは、「家で子どもの世話に手いっぱいの奥さんにはどうせバレない」と思い込んでるからかもしれない。「仕事のストレス抱え込みすぎて、疲れてるんだからしょうがない。ごほうびごほうび。」っていう心理かもしれない。「仕事ばっかりの旦那に、昼間私が何してるかなんて絶対、分からないわ」なのかもしれない。
どんなものであれど、人は色々理由を思いついて、社会的ルールを破る。それは、法律で定められているものかもしれないし、暗黙のものかもしない。でもどっちにしろ人は、ルールを「破りたいから」破っている、というわけではない。
だって、みんな、やってるから。みんなイカサマしてるの、知ってるから。自分だけじゃないよねって、思うから。そしてそれが、自分から言ったりしてバレない限り、誰も咎めることがないのを、知ってるから。
人間生きてたら、人に言えないことなんて一つや二つ、絶対にあるはずだ。それは、小さいころ友達の持ち物盗んだ、みたいな過去の記憶かもしれないし、疲れてる時、ダメだと頭で分かっていてもどーしてもこうするのがやめられない、みたいな、進行形の悩みかもしれない。
でも、分かっててもやめられないんだから、そんなんもう、どうしようもない。
それに、きっと隣に座っている人も、表には見えてないだけで、そういうのあるんだろうなあって、なんとなく想像できちゃうことで、安心できる。
みんなルール守ってるふりして、実はみんなイカサマしてる。でもみんなイカサマしてるの、みんな知っててルール守ってるふりしてるわけだから、なんかうまいこと世界は回る。
まさに、調和している「かのような」社会。
おもしろい!
けどいろいろ考えてたら眠くなっちゃった!
おやすみなさい。